塗装してから何年もつ?塗料別の耐用年数とメンテナンス術
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外壁塗装を検討するうえで、「塗ったあと何年くらいもつの?」「次の塗り替えまでの目安は?」といった疑問は多くの人が感じるポイントです。実は、使用する塗料の種類によって耐用年数は大きく異なります。また、日当たりや気候、建物の立地条件によっても劣化のスピードは変わるため、一概に「○年」と断言できないのが実情です。今回は、代表的な塗料の耐用年数を比較しながら、それぞれの塗料に適したメンテナンス方法について解説します。
1.アクリル・ウレタン塗料|安価だが耐用年数は短め
まず比較的安価な塗料として知られるのが「アクリル塗料」や「ウレタン塗料」です。アクリル塗料は外壁塗装ではあまり使われなくなってきましたが、安さを重視する場合には選ばれることもあります。耐用年数は約5〜7年程度で、コストパフォーマンスは良いものの、頻繁な塗り替えが必要です。
ウレタン塗料はアクリルよりもやや耐久性が高く、約7〜10年の寿命があります。柔軟性があり密着性も良好なため、細かい部分や木部の塗装には向いていますが、外壁全体への塗装にはやや物足りないと感じる人もいるかもしれません。これらの塗料を使用する場合は、定期的に外壁のチョーキング現象やひび割れを確認し、劣化の兆候が見えたら早めの塗り替えを心がけましょう。
2.シリコン・ラジカル塗料|人気のバランス型塗料
現在、最も広く使われているのが「シリコン塗料」です。耐久性・価格・見た目のバランスが良く、約10〜13年の耐用年数があります。光沢があり汚れにも強いため、住宅の美観を長く保ちたい人に適しています。コストを抑えつつも、長持ちする塗料を探している方におすすめです。
また、近年注目されているのが「ラジカル制御型塗料」。これは紫外線などで塗膜が劣化する原因となる“ラジカル”という物質の発生を抑えることで、より長く外壁を保護する塗料です。耐用年数は約12〜15年で、シリコンと同等かそれ以上の持ちの良さが期待できます。メンテナンスの手間も少なく、耐候性も高いため、塗り替えの頻度を減らしたい方にぴったりです。
3.フッ素・無機塗料|高価格帯でも圧倒的な長寿命
予算に余裕がある場合や、10年以上の耐久性を求める場合に選ばれるのが「フッ素塗料」や「無機塗料」です。フッ素塗料は約15〜18年の耐用年数を誇り、雨や紫外線に強く、美しい外観を長期間保てます。特に、高層ビルや公共施設などで使われることが多いのはその高耐候性ゆえです。
さらに寿命が長いのが「無機塗料」。耐用年数は約18〜20年といわれており、塗装回数を極力減らしたい人におすすめです。ただし、塗膜が硬いため建物の揺れなどにはやや弱い面もあり、外壁材との相性や環境条件によっては別の塗料を選んだ方が良いケースもあります。
これらの塗料を選んだ場合でも、定期的な点検(5年に一度程度)とコーキング補修は忘れずに。耐用年数が長くても、付帯部分の劣化によって建物にダメージが及ぶことがあります。
4.まとめ
塗装後の寿命は、塗料の種類によって大きく異なりますが、それを活かすためには「定期的な点検」や「適切なメンテナンス」も欠かせません。アクリルやウレタンは短期間での再塗装が前提、シリコンやラジカルはバランス型、フッ素や無機は長寿命志向の方向けと、それぞれ特徴があります。価格だけで判断せず、「どのくらいの期間、安心して暮らしたいか」「次のメンテナンスまでの負担をどう考えるか」を踏まえて選ぶことが、外壁塗装で後悔しないコツです。