「3回塗り」は本当にされている?手抜き工事を見抜くコツ
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外壁塗装の見積もり書や説明でよく目にする「3回塗り」という言葉。これは、下塗り・中塗り・上塗りの3工程を丁寧に重ねることで、塗膜の厚みと耐久性を確保する重要な作業です。
しかし、実際には「3回塗り」と言いながら手抜き工事で2回しか塗っていないケースや、「下塗りを省略された」という被害報告も後を絶ちません。仕上がってしまえばパッと見で分かりにくいため、悪質業者にとってはごまかしやすい部分でもあります。今回は、塗装工事における「3回塗り」が本当に行われているかを見極めるポイントをご紹介します。
1.下塗り・中塗り・上塗りの意味と重要性を知る
「3回塗り」とは、以下の3工程で構成されています。
1.下塗り(プライマー):外壁材と塗料を密着させる接着剤のような役割。これがないと塗膜がすぐ剥がれます。
2.中塗り(1回目の主材):塗料本来の色や機能を乗せていく工程。
3.上塗り(仕上げ塗装):色ムラや塗りムラを整え、紫外線や雨風からの保護効果を高めます。
これらの工程は、それぞれに乾燥時間が必要であり、一度にまとめて塗ってしまうと、耐久性が大きく落ちる原因となります。
「2回塗りで済ませれば、そのぶん人件費も材料費も浮く」――それが悪徳業者が手抜きをする理由です。
まずは「なぜ3回塗りが必要なのか」を施主側も理解しておくことで、業者の説明を鵜呑みにせずに済みます。
2.現場で確認するためのチェックポイント
では、実際に塗装中の現場で「3回塗りが行われているか」を確認するにはどうしたらよいでしょうか?
見極めるためには以下の点をチェックしましょう:
・下塗りの色は主材(中塗り・上塗り)と異なるか?
→ 一般的に下塗り材は白や透明、主材とは別色であることが多いため、色の違いを確認できます。
・塗装前に「乾燥時間」の説明があったか?
→ 各工程には適切な乾燥時間が必要。短時間で終わると言われたら要注意です。
・写真記録を撮ってくれるか?
→ 最近では塗装の各工程を写真に残して報告してくれる業者も増えています。
・養生・マスキングが丁寧にされているか?
→ 作業の丁寧さは、仕上がりだけでなく作業全体の誠実さにも表れます。
「確認したいのですが」と伝えることに遠慮は要りません。誠実な業者であれば、むしろ喜んで説明・対応してくれるものです。
3.契約段階でできる“手抜き防止”の工夫
工事が始まってからでは対応が難しいため、契約前から「手抜きを防ぐ仕組み」を作っておくことが大切です。
・見積書に「3回塗り」の記載があるかを確認
→ 「塗装一式」とだけ書かれていたら要注意。下塗り・中塗り・上塗りの明記があるか見ましょう。
・契約時に「工程ごとの写真記録」を依頼
→ 契約書に写真報告の項目を入れておくことで、業者の手抜きを抑止できます。
・工事保証の内容を確認する
→ 塗膜の剥がれや色落ちがあった際の保証年数や対応条件も、トラブルを未然に防ぐためのポイントです。
また、地元での施工実績や口コミ、対応の丁寧さなども業者選びの大切な判断材料になります。「値段の安さ」だけで選ばないことが、最終的に満足度の高い工事につながるのです。
4.まとめ
外壁塗装は、10年単位で住まいの寿命を左右する重要な工事。その中でも「3回塗り」は、塗料の性能を最大限に活かすための基本工程です。しかし、それが本当に守られているかどうかは、施主側の知識と確認がなければわかりません。
信頼できる業者選び、分かりやすい説明、そして現場での見える化を通じて、「本当に3回塗られているか」を自分の目で確かめることが、満足いく塗装工事への第一歩です。