エアコンの効きが悪い家に共通する“外壁の盲点”とは?

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エアコンをつけているのに部屋がなかなか冷えない、効きが悪いと感じる――そんな悩みを持つ方は少なくありません。その原因は「エアコンの性能」や「窓の断熱性」だけではないかもしれません。実は、外壁の状態や塗装が“室内の温度環境”に大きく関わっていることをご存知でしょうか?
このコラムでは、冷房効率を下げる原因となり得る「外壁の盲点」に注目し、暑さがこもりやすい家に共通する外壁の問題点と、改善のためにできる対策についてご紹介します。

1.外壁が「熱をため込む」ことで室温が上がる

夏の直射日光を受けた外壁や屋根の表面は、60℃以上に達することもあります。この熱が蓄積され、じわじわと壁の内側を通って室内に伝わることで、室温が自然と上がってしまうのです。特に南側や西側の壁は日照時間が長く、外気温が落ちても熱を放出し続けるため、夜になっても部屋がなかなか冷えないという状況を生み出します。

加えて、経年劣化した外壁は塗膜が剥がれたり、表面の反射性能が失われたりして、さらに熱を吸収しやすくなる傾向があります。知らず知らずのうちに「熱を取り込みやすい家」になっていることが、エアコンの効きに影響しているのです。

2.遮熱・断熱塗料でエアコンの負担を軽減できる

こうした蓄熱を防ぐ有効な手段のひとつが、遮熱塗料や断熱塗料による外壁塗装です。遮熱塗料は太陽光の赤外線を反射し、外壁や屋根の表面温度を10〜20℃程度下げる効果が期待されます。これにより、室内温度も2〜3℃下がるケースが多く、冷房の効きが明らかに改善されるのです。

また、断熱塗料は塗膜に空気層を含ませて熱の伝導を防ぐ働きがあり、内外の温度差を穏やかに保つ役割を担います。
遮熱・断熱のどちらも、夏の快適性向上+電気代の節約につながり、エアコンへの依存を減らす手段として注目されています。

3.気密性の低下も原因に?外壁の劣化チェックを

見落としがちなのが、外壁のひび割れやコーキングの劣化によって、室内の冷気が漏れてしまうケースです。築10年以上の建物では、シーリング材が硬化してヒビが入り、外気の熱が入り込んだり冷気が逃げたりするリスクが高くなります。

また、微細なひび割れがある外壁材は、熱や湿気の吸収・放出を繰り返すことで断熱性が低下し、エアコン効率を悪化させる要因となるのです。
これらの劣化は目に見えにくいため、専門業者による定期点検を受けて、塗装だけでなく補修もセットで行うことが大切です。

4.まとめ 

「エアコンの効きが悪い」と感じたとき、その原因が外壁にあるとは気づきにくいものです。しかし、外壁の蓄熱性や断熱性能の低下、気密性の欠如といった“見えない要因”が、室温環境を左右しているケースは少なくありません。
遮熱塗料や断熱塗装、劣化箇所の補修を通じて、外からの熱をブロックし、冷気を逃がさない家づくりをすることで、エアコンに頼りすぎない快適な夏が手に入ります。ぜひ一度、外壁の状態を見直してみてはいかがでしょうか?